書道は「氣」で書くこと
「とめ」「はね」「はらい」を日常の行動に見立てる

一本の線を「道」に例えてイメージしてみましょう。目的地に向かって歩き始めるとき、最初の一歩を踏み出す場所――それが「点」です。書道の世界では、この「点」から線が生まれ、線が文字となり、文字が言葉を紡いでいきます。そしてその一連の流れには、必ず「とめ」「はね」「はらい」という三つの基本動作が息づいています。これは私たちの日常の中で見られる動作にもよく似ています。ここでは、書道の基本を身近な動きに重ねながら、一つひとつ見ていきましょう。
点
まず、飛行機の着陸をイメージしてみてください。筆が上空から紙に着地した時に「点」が生れます。その上空から着陸までの間に「氣」を込めることで、「点」に意思が宿ります。
特に強い線を書きたい時は、刀を振る時のように高い位置から筆を振り下ろすイメージで書き、優しい線を書きたい時は、可愛がっているペットを撫でる時のようにリラックスした気持ちで書くようにします。
はね
スタートダッシュのときのフォームと同じで、足で地面を蹴り上げるときの姿勢が乱れると、筆先がバラけてしまい線が開いてしまいます。崩れる原因になるため、「はね」は何度も何度も練習し書けるまで訓練が必要です。
はらい
「払い」には、埃を払う・邪気を払う・お金を払う、といった意味があります。
筆で書く線の中で「払いは見せ場」として華やかさを表現する部分になります。
ジャンプスキーのようにジャンプ台から跳んで着地をする一連の動作、長く飛んで美しく着地するイメージで書いています。
俯仰法と呼ばれる筆の表・裏を使いこなす技術も必要ですので、開いた毛が終筆に向かってまとまっていくのは、毛筆ならではの極みです。