ご来店ありがとうございます。店主の出口と申します。
北海道の帯広から出てきて早15年、ネットで起業して14年になりますが、この筆耕の仕事が大好きです。毎日仕事場で、書の道具や、骨董に囲まれているだけで幸せを感じます。
美大を卒業後、札幌の筆耕会社に務め、再び上京し、本格的に書で生計を立てる決意をしました。
千葉の市川で六畳一間のアパートを借り、食費1万円以内で、電車もなるべく乗らず、１，２時間かけて自転車で出かけるような極貧生活でアルバイトを２つ、時には3つ掛け持ちしながら、筆耕の営業活動を開始しました。
飛び込み営業や、チラシの配布などで苦戦し、そんな中インターネットに出会いました。
それまでネットどころか、パソコンにも殆ど触れたことが無い、完全アナログ人間でしたが、偶然にもネットに詳しく自らもネットで100％集客している方に知遇を得、HP制作を全面的にバックアップしていただき一年がかりでパソコン操作から、HP製作のノウハウ、画像の加工などを必死で覚え、筆耕ファクトリーというサイト名でHPを立ち上げ、その後ネットでのご依頼が少しずつ入ってくるようになりました。
当初は、北海道から出て来たことを後悔した事もありましたが、九死に一生を得た思いでとても嬉しかったです。
そんな中でも、宛名書き、賞状だけではなく、思わぬ筆文字のご依頼もありました。演歌歌手の長山洋子さんのCDジャケットのタイトル文字でした。
最初に、歌詞を読んで、曲を聞き、文字のイメージを考え沢山のパターンを書きました。 でも、コレだ、という文字がなかなか書けず、ふとした時に、目に入ったメイク用のシャドー刷毛で書いてみたところ、偶然、面白い滲み方や、線が書けたのです。早速、10パターン以上の文字をご本人に見てもらい、迷わず、その刷毛で書いた文字が選ばれました。
やがて発売になり、レコード店の店先きに、ポスターが貼られ、書店でも、演歌雑誌などの表紙になり、 それを見つけた時には、自分の可愛い子供が世に出た時のように感激したのを思い出します。
その後、某メーカーのビールのキャッチコピーにも起用して頂きまして、テレビCMや、そのポスターが全車両の、川刷り広告として貼られた時は、ああ、これで死んでもいい、と一瞬思ったくらい嬉しかったです。(笑) 広告のポスターを1枚、欲しいとジェーアールに問い合わせをしたのですが、もらう事は許されず証拠が残ってないのが残念です。。。（涙）
おかげさまで今は、そこそこ忙しく大好きな筆耕の仕事をさせていただいておりますが、神社の参道などで開かれている骨董市など、古のロマン漂う道具や、家具、着物などに触れ、癒されたりするのが好きです。秋は、枯葉が舞ったりして特に気持ちいいですよ。
将来の夢は、手紙カフェ
手紙を書くための道具、レターセットや、筆記具も常備していて、手紙の書き方、文字の添削をしながら、子供からお年寄りまで団欒ができるお店の経営をしてみたいですね。
たとえば大切な人へのお手紙を 生前に書き溜めておいて、保管しておく、など。字が書けない場合は、筆耕カフェのスタッフがお書きします。なんていう妄想をしています。
拙い文章で失礼いたしましたが、ここまで読んで頂き誠にありがとうございました。
それでは、皆様の今日が良き日となりますように。
筆耕ドットコム店主 出口
